もっとも高市首相は3月2日、X(旧ツイッター)に「このトークンについては、私は全く存じ上げませんし、私の事務所側も、当該トークンがどのようなものなのかについて知らされておりません」と投稿しており、「SANAE TOKEN問題」とは無関係に思える。
しかし、週刊誌等の報道では、地元事務所の秘書が問題に関与している証拠もあり、それについて高市首相は国会で潔白を証明しきれないままだ。
こうした事情もあって、自民党内では少しずつ「高市離れ」が進みつつあるのかもしれない。「高市応援団」として華々しく発足し、347人が入会した「国力研究会」は、5月にアメリカのジョージ・グラス駐日大使を講師に迎えて第1回の勉強会が開かれただけ。これからの予定は不明のままだ。
蠢動する「ポスト高市」を狙う面々
さらに「ポスト高市」を狙うとみられる動きも目立つ。例えば、6月8日夜に麻生太郎自民党副総裁と茂木敏充外相が会食した。懇談を終えて店を出た2人は、互いに満面に笑みを浮かべていた。
岸田文雄政権で幹事長を務めた茂木氏と、元首相として党内で強い影響力を発揮してきた麻生氏との関係は悪くない。昨年の総裁選で茂木氏は議員票の行方を握っているといわれた麻生氏の元を訪れ、待機していた記者たちに上機嫌の様子を見せている。
麻生氏にとって、茂木氏は高市首相に続く“コマ”といえるだろう。2025年の総裁選では最下位だったが、政治経験が豊富な茂木氏は、健康に不安のある高市首相のピンチヒッターを務めることも不可能ではない。
小泉進次郎防衛相や小林鷹之政調会長が麻生氏の“コマ”にならないのは、それぞれ菅義偉元首相と石井準一自民党参院幹事長が背後につき、キングメーカーを狙っているからだ。
ただ、麻生氏が最も脅威と感じているのは、仇敵・古賀誠氏の“秘蔵っ子”ともいえる林芳正総務相だろう。林氏は24年の総裁選(第1回投票)で38票の議員票を得たが、25年にはほぼ倍の72票まで伸ばした。高市首相が獲得した64票より8票多かった。
そして林氏は6月18日夜、麻生氏と関係がよくないとされる武田良太元総務相と懇談。これに自民党山口県連の柳居俊学元会長が同席したことが注目された。

