山口県議9期の柳居氏は、県議会議長や全国都道府県議会議長会会長を務めた大物政治家で、山口県内では「柳居天皇」と言われるほど権勢を誇る。もし林氏が総理総裁になれば、山口県から9人目の首相が誕生することになる。実際に昨年の総裁選で、柳居氏は林首相の誕生を「悲願だ」と大っぴらに宣言した。
林氏も来年の総裁選を意識し、会食の機会を増やしている。3月26日には総裁選で林氏を支援したグループで集まり、4月13日には旧宏池会の議員らと会食した。
これらの会食と武田氏との会食では意味が違う。武田氏が今春に立ち上げた「総合安全保障研究会」には26人が入会しており、「票を持っている」といえるからだ。
一方で、武田氏も林氏と会食する意味はあったようだ。『週刊文春』7月2日号は「武田氏が林氏と柳居氏に福岡県議会議長を務める蔵内勇夫氏との関係を取り持ってほしいと依頼したのでは」と報じている。
福岡の「新三国志」に異変の兆し
全国都道府県議会議長会の会長も務める蔵内氏は、当選10期のベテラン県議で、麻生氏と近いことで知られる。また林氏とは、蔵内氏の長男が林氏の秘書を務めたという関係もある。
その長男は16年の福岡6区補選に自民党福岡県連推薦で出馬したが、故・鳩山邦夫氏の次男である二郎氏に大差で敗退。鳩山氏を大いに応援したのが武田氏だった。
かつては麻生氏や古賀氏、山崎拓氏などが群雄割拠した福岡県だが、今は麻生氏と蔵内氏、そして武田氏の「新三国史」と言われている。武田氏が蔵内氏に近づくなら、その勢力図は大きく変容するかもしれない。
18日の食事会では、3人は2時間ほど会談した後、まずは武田氏が、しばらく後に林氏と柳居氏が店を出た。武田氏が入店した際に持ち込んだ2つの紙袋は、林氏と柳居氏の手にあった。
同じ頃、高市首相は公邸で延べ6日間にわたる外遊で疲れた体を休めていた。ただ、その頭の中は、翌週の衆参予算委員会での野党の追及をいかにかわすかで占められていたはずだ。ストレスフルな生活はいつまで続くのか。

