工作機械大手の牧野フライス製作所が、6月23日までに日本産業推進機構(NSSK)から新たな買収提案を受けていたことが東洋経済の取材でわかった。
牧野フライスをめぐっては、モーター大手のニデックが2024年末に同意なき買収を仕掛けたが、牧野フライスが買収防衛策で対抗。ニデックは買収防衛策の発動差し止めを東京地方裁判所に求めたものの認められず、25年5月に買収を撤回した。
その後、「ホワイトナイト」として名乗り出ていた大手投資ファンド、MBKパートナーズが公開買付契約を結び、牧野フライスの非公開化は既定路線とみられていた。MBKは東アジア地域で投資活動を行い、330億ドルの運用資産を有する投資ファンドだ。
ところが、日本政府が外為法に基づき買収の中止を4月22日付けで勧告。牧野フライスの高性能な工作機械や関連情報が軍事転用される恐れがあり、外資系企業の傘下に入れば安全保障上の懸念があるとした。MBKは4月30日に中止勧告に従うと通知し、TOBを断念した。
ニデックによる提案から始まった牧野フライス争奪戦。その後も二転三転が続く。政府の中止勧告が出されたタイミングで、MBKに代わって法的拘束力のない「初期的」な買収提案を行っていたのがNSSKだった。
NSSKは14年設立の国内投資会社。これまで「さくら薬局」のクラフトや学習塾のウィザスなどに投資している。そのNSSKが、6月23日までに新たな買収提案を行ったというのだ。
これについて牧野フライスは「初期的提案を頂戴したのは事実」と認めている。

