この「小さな」というのがポイントです。体の仕組みとして、私たちが新たな神経回路と認知機能を獲得するには、小さな変化を積み重ねることが条件で、それなりに時間がかかるものなのです。
完璧な100点のトレーニングをやろうとして挫折するよりも、60点でOKとして継続しましょう。完璧な100点のケアではなく、毎日60点を続けるほうが筋肉の学習効率は高まります。運動を行う自分の姿が特別なものではなく、日常の一つの風景になれば、しめたものです。運動用のウエアに着替えないといけない、などとハードルを上げ過ぎないことも大切です。
今日からオフィスや自宅でできる「24時間セルフケア生活」
運動していない日常の時間のほうがはるかに長いため、生活のなかで小さく動き続けることこそが最も効果的な対策になります。同じ姿勢が30分続くと痛みのセンサーが上がりやすくなるため、わざわざトレーニングの時間を確保しなくても、意識的にほんの少し暮らしの動きを変えるだけで、衰えや痛みのリスクを遠ざけることができます。
まず見直したいのが、一日の大半を占めるオフィスでの時間です。デスクワークの最中は、動かす機会がない足首が固まりやすく、ふくらはぎのポンプ機能が働かずに下半身の血流が滞ってしまいます。これを防ぐには、机の下でつま先を床につけたままかかとを上げ、次にかかとをつけてつま先を上げるという交互の動きを、仕事の合間にこまめに行うのが効果的です。
また、スマホを手にするときは目線が落ちて首や肩に大きな負担がかかるため、画面を目の高さに上げるよう意識し、長時間の操作になりそうなときは30分に1回立ち上がって姿勢をリセットするようにします。
次に、通勤や移動の時間を臨時のトレーニング機会に変えてしまいます。電車やバスに乗っているときは、立っている場合も座っている場合も、かかとを合わせて力を入れ、内ももをぴったりとつけて維持します。これにより骨盤底筋が鍛えられ、姿勢の維持だけでなく尿漏れや頻尿の改善に繋がります。
さらに、外を歩くときにはあごを引き、わきを締め、自分の靴が縦に2足分入るくらい大きな歩幅を意識して、いつもより少し速く歩くだけで、太ももやお尻の大きな筋肉へ新鮮な刺激を与えることができます。

