「ベーコンは加工品なので、業務用の安いものだと味も違うし、添加物も気になりますよね。私自身も子どもがいるので、本当のお肉屋さんで作ってもらったベーコンのほうが安心でおいしいと思って、そちらを選びました」
甘いものだけでなく、ビールに合う味として提案している厚切りベーコンチーズ味は、夏にも売れ筋のひとつだが、子どものおやつとして安心して選べるのがうれしい。
このような味と素材へのこだわりからか、「大仏さま焼き」にはリピーターも多いという。
「鎌倉に来るときは必ず買う」という常連客や、「子どもが修学旅行のお土産で買ってきて、おいしかったのでまた来ました」と、栃木から足を運んでくれた親御さんもいるのだとか。
「幸せをよぶ」の先にあるもの
一過性の流行を超え、小町通りの食べ歩きや鎌倉土産の定番として定着しつつある「幸せをよぶ大仏さま焼き」。
1日1000個売れ続ける人気商品を生み出した今、夫婦はこの先に何を思い描いているのだろうか。問いかけると、返ってきたのは「今ある店を丁寧に育てていきたい」という、ふたりらしい答えだった。
「今は日々お店を回すので精一杯なので、たくさん店舗を増やすとかは考えていません。もうちょっと余裕ができてきたら、季節限定のフレーバーとか、物販もやりたいです」
最近は、自ら店舗に立つ機会も大切にしているという亜実さん。
「やっぱりお店に立つと、本当に、お客さんが喜んでくれるのが一番だなと感じます。おやつって食べなくても済むものじゃないですか。でも、ちょっとほっこりしたいから食べるものだと思うんです。だから、スタッフの対応とかも含めて、『幸せをよぶ 大仏さま焼き』という名前に恥じないように、すべてにおいてやっていかなきゃな、という思いがあります。そこは、裏切りたくないですね」
先代から受け継いだ店と味を守ることと、
時代に合わせて、届け方を変えていくこと。
伝統と変化の両方を受け入れるしなやかさが、鎌倉ともやを支えている。

