つまり、同じ行為でも、見ている価値観が違うために真面目か不真面目かの評価が分かれるのです。
では、組織としてはどこまで許容すべきなのでしょうか。
結論からいえば、私物そのものよりも、業務に支障があるかどうかを基準にするのが望ましいと言えます。許容されやすいのは、以下のものと推測します。
小さなフィギュアや写真、マグカップ、加湿器などの生活用品、ミニ観葉植物、文房具や卓上カレンダーなどでしょうか。これらはデスクの占有面積も小さく、業務に影響を与えにくいと言えます。
ただし、フィギュアやイラストといってもひとくくりにはできず、露出度が高く性的なものを連想させる、またグロテスクなものなどは避ける必要があるでしょう。
次に、注意が必要なケースです。デスクを大きく占有する大型グッズや音や香りの出るアイテム、他者の宗教・政治観を強く想起させるもの、清掃や衛生面で問題が出るものが挙げられます。
中でもアロマディフューザーなどは、実際に問題になることが多くあります。香りは、好き嫌いが分かれ、ある人にとってはリラクセーションを促すものだとしても、他の人にとって不快となるからです。
よって、結論としては、「個人の快適さ」と「周囲の働きやすさ」のバランスが取れているかが判断基準となります。
しかし、その基準が個々人で違うので、組織としてのルールをアナウンスすることが必要です。最近の管理職は「ハラスメントと言われるのが怖い」と感じ、注意すべき場面でも言い出せないケースが増えています。その結果、職場のルールが曖昧になり、社員間の不満が蓄積するという逆効果も起きています。
では、どうすればよいのでしょうか。
「デスクに置いてよい私物の例」「禁止事項」をガイドライン化します。曖昧さをなくすことで、社員も管理職も判断しやすくなります。
「業務に支障があるか」「周囲の集中を妨げるか」を基準にします。
心理的安全性は生産性に直結します。小さな推しグッズがモチベーションになるなら、むしろプラスです。
価値観ではなく、事実ベースで伝えることが重要です。
若手とベテランのギャップを埋める
デスクに置かれた私物は、単なる飾りではありません。
そこには、社員がどれだけ自分らしく働けているか、組織がどれだけ多様性を受け入れているかが表れます。推しグッズを置く若手と、それを不真面目と感じるベテラン。
このギャップを埋めるには、どちらかが折れるのではなく、「働きやすさ」と「職場の秩序」の両立をどう図るかという視点が欠かせません。温度感をお互いに知るためにも「有り無し」のアンケートを取るなど、現場の状況をふまえながら独自のルールを確立していくことをお勧めします。

