22日の日本市場は株式が上昇。電線株など人工知能(AI)関連株の一角が高く、相場を支えている。米国とイランの包括的な和平協議やホルムズ海峡の先行きを巡る懸念が再燃する中、円は対ドルで161円台半ばに下落。債券も売られている。
米国とイランは21日、スイスで和平協議を開始した。トランプ米大統領は同日、レバノンの親イラン派武装組織ヒズボラがイスラエルへの攻撃を続ける場合、対イラン攻撃に再び踏み切る可能性があると改めて警告。イランは20日、イスラエルがレバノンでの停戦に違反したと非難し、世界のエネルギー供給の要衝であるホルムズ海峡を再び閉鎖すると表明している。
株式は下落して始まった後上昇に転じ、日経平均株価は一時600円超上げた。大和証券の細井秀司シニアストラテジストは、寄り付きは暴落する可能性もあるとみていたが、市場はイランによるホルムズ海峡封鎖とのアナウンスには実効性がないと見透かしているようだと指摘。特にマクロ環境にかかわらず業績が堅調なAI・半導体が物色されていると話した。
為替
円は対ドルで161円台半ばに下落。和平協議が難航するとの見方から有事のドル買いが優勢になっている。
SBI FXトレードの上田真理人取締役は米国とイランの協議について、「レバノンでの戦闘継続で両国が態度を硬化させており、先行きが見通せない」と語る。
当局による為替介入に関しては「やってもドル高のトレンドを変えることはできないため、当局も出るに出られないのではないか」と上田氏はみる。162円近辺に円売りオプションがたまっており、突破したら「介入を期待してドル売り持ちにしている個人投資家の損切りも出て、円安に勢いがつく可能性もある」と述べた。
片山さつき財務相は閣議後の記者会見で、為替について必要に応じていつでも適切に対応すると述べたが、反応は限定的だった。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは22日付リポートで、きょうも当局の対応を注視する必要があり「ドル・円は介入を警戒しながらの神経質な値動きとなりそうだ」としている。
債券
債券は下落(利回りは上昇)。米国とイランの和平協議への不安や円安を受けて売りが先行している。新発10年債利回りは前週末比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.675%を付けている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは「米国とイランの溝は大きく、和平協議の先行きに不安が残る」と指摘。為替が円安基調にあるため、インフレ懸念や日本銀行の政策対応が後手に回るビハインド・ザ・カーブへの懸念が重しになると話す。
日銀が利上げを決めた16日の金融政策決定会合の「主な意見」が24日に公表されることや、25日に20年利付国債入札を控えていることも「買いにくさにつながる」と言う。
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著者:日高正裕、横山桃花

