「大きな、大きな本マグロを入荷しましたよ!記念撮影いかがですか?」
昼時を前にして大勢の客で混み合うイトーヨーカドー大森店では、従業員たちの大きな声が響き渡っていた。お披露目されたのはその日に仕入れた重さ100kg超えの本マグロ。鮮魚担当の従業員が大きな包丁を使い、売り場に集まった客たちの目の前で巨大なマグロをさばいていく。
カマトロの大きな塊は6000円、マグロの頭も6000円――。他のスーパーではなかなか手に入らない珍しい部位に高値が付き、次々と売れていく。鮮魚売り場の前にはいつの間にか数十人の客たちが並び、店全体が活気であふれるようになっていった。
「イトーヨーカドーは魚が弱い」。かつてはそんな評価を受けていたが、これまでに売り場を刷新した10店舗は導入前と比べて売上高が平均10%程度伸びたという。26年度はさらに25店舗に導入し、売り上げと集客力の底上げを図っていく構えだ。
ヨークHDは減収ながら大幅な営業増益
「従業員や経営陣が危機感を共有し、厳しい環境の中でも会社を変えることができた」
6月18日、イトーヨーカ堂やヨークベニマルなど26社を束ね、米投資ファンドのベインキャピタル傘下で経営再建を進めているヨーク・ホールディングス(HD)の石橋誠一郎社長は、笑みを浮かべながらこのように語った。
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