ここで言う「持ち上げる」とは、単にお世辞を言うことではありません。子どものありのままの姿を丸ごと肯定し、「あなたはそのままで素晴らしい存在なんだよ」と伝え続けることです。先生が褒めてくれることもあるでしょう。友達が認めてくれることもあるかもしれません。しかし、それらはどうしても条件つきになりがちです。テストで良い点を取ったから褒められる、試合で活躍したから認められる。何かを「できた」から評価される、という構造から逃れることは難しいのです。
けれども親だけは違います。子どもが何かをできてもできなくても、成績が良くても悪くても、「あなたがいてくれるだけで嬉しい」と心から思える。その無条件の肯定こそが、親にしかできない最大の役割なのです。
外の世界は比較と劣等感の嵐
子どもが一歩家の外に出れば、そこには比較と劣等感の嵐が待っています。学校ではテストの点数で序列がつけられ、部活ではレギュラーと補欠に分けられる。友達との間でも「あの子はできるのに、自分はできない」という感覚に何度もさらされます。
しかもSNSが当たり前の時代になり、他者と自分を比較する機会は、私たちが子どもだった頃とは比べものにならないほど増えています。スマートフォンを開けば、キラキラした同世代の投稿が目に飛び込んできます。自分より勉強ができる子、スポーツが得意な子、容姿が整った子の情報が、際限なく流れてきます。大人でさえSNS疲れを感じるのですから、まだ心の発達途上にある子どもたちが受けるダメージは計り知れません。

