鎌田は過去の日本代表の選手たちと比べても傑出している。技術、体力、戦術に恵まれたコンプリートな選手と言える。華々しいファンタジスタとも言えるし、効率的なリンクマンとも言える。かつて同じ領域にいた日本人選手には本田圭佑がいるが、本田は鎌田と比べると単純なフィジカルに頼るところがあり、強靱な反骨心で才能を焦がすほどに燃やしてプレーしていた。
「歩くように走る」そう言われる自然体が、鎌田の本性だろう(そこにふてぶてしい表情もあいまって、やる気がなさそうに見える)。現役ではクロアチア代表のルカ・モドリッチに近いかもしれない。時間を操り、空間を作る、という一流のボールプレーヤーだけが持つ戦術眼と創造性に恵まれている。
ボールの置き所をわずかに変えるだけでプレーの選択肢を増やし、最善の判断ができるから受け手に余裕を与えられる。鎌田が最も力を発揮するのは、アンカーとトップ下の間のポジションだろう。ボールを引き出しながら持ち運ぶこともできるし、ライン間にパスも打ち込めて、ゲーム全体の舵を取れる。
それもピッチやや左に落ちながら、絶妙に相手のギャップのポジションを取り、うまく視野を取りながら、チームに推進力を与えるのを得意としている。ライン間の魔術師ぶりは佐藤龍之介も共通した異能を持つが、鎌田はスケール感が別格だ。チュニジア戦も中央左でチームを動かし、守りのズレを引き起こし、攻撃をリードできるはずだ。
森保ジャパンはW杯で優勝できるのか?
森保一監督は「W杯優勝」を宣言したが、筆者は、「地に足をつけてベスト8への道筋を探るべき」という主張だ。ベスト8であっても、そびえ立つ長城に挑むようなものだ。
筆者はミラノ・コルティナ五輪も現地で取材している。日本は史上最多24個のメダルを勝ち取ったのだが、「氷上の格闘技」と言われるアイスホッケー女子は目標にしていたメダルに届かなかった。スマイルジャパンと言われる日本代表は4年間で目に見えて強くなって、「北京五輪の最高位ベスト8を超えられる」と意気込んでいた。

