世の中で大きなセキュリティ事故が報じられ、セキュリティ担当者に「うちのセキュリティは大丈夫?」と声をかけたとき、「えっと、はい……大丈夫です」という歯切れの悪い返事をされたり、どこか困ったような表情をされたりしたことはないでしょうか。
この「微妙な噛み合わなさ」は、決して珍しいことではありません。経営層は心配しているつもりでも、実は現場から見ると「わかってもらえていない」と映っているというギャップが、あの反応の正体です。
では、どう聞けば現場と噛み合うのか。今回はその具体策を考えてみます。
「大丈夫か?」はなぜ答えにくいのか
「うちは大丈夫か?」という質問は、聞く側にとっては素朴な心配の表明です。しかし、聞かれた側のセキュリティ担当者にとっては、非常に答えにくい問いです。
理由はシンプルで、「大丈夫」の定義が曖昧だからです。何をもって大丈夫とするのか。外部からの攻撃を100%防げる状態のことか、個人情報が漏洩していない状態のことか、ランサムウェアに感染してもすぐに復旧できる体制のことか。
基準が示されないまま「大丈夫か?」と聞かれると、担当者は何と答えても不正確になるリスクを抱えます。

