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ウォーシュFRB議長が初会見、金利の道筋についてはいかなるシグナルを示すことも回避

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(写真:ブルームバーグ)

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ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は17日、インフレ抑制に取り組むとの厳粛な誓いを立てるとともに、中央銀行として政策運営の在り方を迅速に刷新する考えを明確に示した。

一方で、2日間にわたる連邦公開市場委員会(FOMC)会合終了後、初の記者会見を行った新議長からは、それが金利にどのような意味を持つのかについて、明確な指針は示されなかった。

ウォーシュ議長を巡っては、インフレ抑制への取り組みに投資家の間で懐疑的な見方もあったが、議長は重要な試金石をクリアした。当局者が公表した新たな四半期経済予測では、議長の同僚の多くが今年少なくとも1回の利上げが必要になると予想していることが示され、市場はこれに注目。米国債利回りは上昇した。

Photographer: Al Drago/Bloomberg

それでも、議長は自身が望ましいと考える金利の道筋について、いかなるシグナルを示すことも避けた。議長として初めて臨んだ会合では、声明を簡素化したほか、金融政策に関する複数の「作業部会」の設置を発表した。

これらの措置は、ウォーシュ氏が連邦準備制度に長年求めてきた「レジームチェンジ(体制転換)」に向けた最初の取り組みで、近年の米金融当局の政策運営を縛ってきたと同氏が考えるフォワードガイダンスの撤廃を目指すものでもある。

モルガン・スタンレーのグローバル・チーフエコノミストで元FRBスタッフのセス・カーペンター氏は、「まだ答えの出ていない疑問は多い」と指摘。ウォーシュ議長はインフレ抑制へのコミットメントを明確にしたが、「それをどのように実現するのかについては、明らかではなかった」と話した。

米金融当局は市場予想の通り、主要政策金利のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを3.5-3.75%に据え置くことを4会合連続で決めた。一方で、当局者は利上げの可能性に向けてさらに歩みを進め、計19人中9人は年内に少なくとも1回の利上げ予想を提示。FOMC声明では、物価安定を実現するとあらためて約束している。

ウォーシュ氏が長年にわたり連邦準備制度の慣行に多くの異論を唱えてきたことで、会合運営の方式を変更したり、会合後の記者会見そのものを廃止したりするのではないかとの観測もあった。しかし、新議長は今回、従来方針の幾つかを踏襲した。

その一つとして、インフレの根強さを認めるとともに、金融当局として物価抑制の使命を果たすと表明したことが挙げられる。

ウォーシュ議長は2%のインフレ目標に関し、「われわれは過去5年間にわたり目標達成に失敗しており、それを正す」と発言。また、物価目標をまだ達成していない以上、見直しを検討する理由はないとの認識も示した。

FF金利先物の動向を踏まえると、市場では2027年1-3月(第1四半期)末までに2回の利上げが実施されるとの見方を織り込んでいる。17日のFOMC決定前は1回だった。

双方の支持維持

市場は当局者の間のインフレ警戒感の高まりや、それに対応するため一段の利上げが必要になる可能性に注目した。だが、ウォーシュ議長は、経済を巡る高度の不確実性を理由に、当局者が自身の見通しに縛られることはないと強調した。

トランプ大統領は、新たなFRB議長選びに際して利下げ実現へのコミットメントを重視していたが、FOMCの金利据え置き決定に関する記者団の質問に、「まあいいだろう、どちらでも構わない」と述べた上で、ウォーシュ氏を「非常に優秀な人物だ」と評価した。

その意味でウォーシュ議長は、多くのFRBウオッチャーが難しいと考えていた課題を成し遂げたことになる。すなわち、ホワイトハウスとウォール街の双方の支持を維持したことだ。

調査会社マクロポリシー・パースペクティブズ創業者のジュリア・コロナド氏はウォーシュ議長について、「もし彼がタカ派的だと予想していたなら、この内容を歓迎しただろう。しかし、それが彼の意図だったのかは分からない」と話す。

その上で、「彼は『インフレが問題だから利上げを検討する必要があると思う』とは言わなかった。そうではなく、『物価安定はわれわれの使命であり、それを実現しなければならない』と述べた」と指摘した。

改革

ウォーシュ議長は、連邦準備制度の改革に向けた自身の大きな構想の実行に着手した。具体的には、FOMC声明や記者会見からフォワードガイダンスを排除した。フォワードガイダンスは将来の金利の道筋に関するシグナルで、最も効果を発揮するのは政策金利がゼロ近傍にある場合だとの見方が多い。また同様の考え方から、金利予測分布図(ドット・プロット)について、自身の金利見通しを提出することも見送った。

最も特筆すべきなのは、経済予測に用いるデータから政策運営の手法に至るまで、幅広いテーマを検証する五つの作業部会の設置を発表したことだ。

ウォーシュ議長は、これらの取り組みのために内外から専門家の採用を積極的に進めていると説明した。また、作業部会が年末までに検証結果を取りまとめるとの見通しを明らかにした。

一部のFRBウオッチャーの間では、ウォーシュ議長が一気に大規模な変革を推進するのではないかとの懸念もあっただけに、議長が示したこのようなスケジュールは心配を和らげる形となった。

ウォーシュ議長は、初の記者会見でも持ち前の冷静沈着な姿勢を見せた。また、FOMCの見解を説明するとともに、変化が始まりつつあることを示しながらも、それを段階的で受け入れやすい形で伝えたことも前向きに評価されている。

ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオンのチーフエコノミスト、ヘザー・ロング氏は「ケビン・ウォーシュ氏に求められていたハードルは低かったが、彼はそれを十分にクリアした」と語った。

原題:Fed’s Warsh Signals Revamp, But Offers Little Substance on Rates(抜粋)

--取材協力:Ye Xie、Maya Prakash、Maria Eloisa Capurro、Jonnelle Marte、Enda Curran.

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著者:Catarina Saraiva

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