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肝臓が白く「フォアグラ」化していた…動物園のアヒルはなぜ突然死したのか 体をむしばんだ"ふれあい展示"の代償

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アヒル
“命の学び”につながるふれあい展示では、動物たちの負担も考えなければなりません(写真:HIME&HINA/PIXTA)
  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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さて、解剖を進めていくと、お腹の中から大きな白っぽい肝臓が出てきました。

通常、肝臓は、みなさんが知っている「レバー」のように赤黒い色をしています。ところが、その肝臓は白く、テラテラとしています。脂肪肝です。アヒルやガチョウの肝臓を肥大化させてつくる「フォアグラ」という食材がありますが、まさにそのような見た目です。

そして、脂肪肝の表面には大きな亀裂が入っており、そこに血の塊が付着していました。

高度の脂肪肝になると、肝臓はもろくなります。このアヒルは、もろくなった脂肪肝が破裂し、大量出血を起こした結果、失血死したのだと考えられました。

ふれあい展示という比較的狭い場所で飼育されていたため、運動不足になり、体重管理も十分ではなかったのでしょう。その結果、肥満になり、脂肪肝も起こしたとみられます。また、十分な水場がなければ陸上で過ごす時間が長くなり、足への負担が増えます。体重の増加と陸上で過ごす時間の長さが重なり、趾瘤症の発症につながったのだと思われます。

アヒルの寿命は10~20年とされていますから、15歳という年齢は長生きと言えます。それでも、適切な体重管理や飼育環境の見直しが行われていれば、もう少し長く生きられたかもしれません。

趾瘤症の状況を見るかぎり、足の痛みは長く続いていたようです。大切に飼われていたとは思いますが、QOL(生活の質)の点では、あまり好ましい状態ではなかったと言えます。

最期にリンゴを食べて…

次は、14歳のオスのウサギのケースです。こちらは、別の動物園に勤める40代の獣医師さんからの依頼でした。このウサギも先のアヒルと同じく、ふれあい動物として長年飼育されていました。「人によく慣れており、掃除や給餌のたびに近づいてきて、なでてほしいと催促するような子だった」といいます。

このウサギには、かねて「不正咬合(ふせいこうごう)」という歯の病気がありました。

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