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肝臓が白く「フォアグラ」化していた…動物園のアヒルはなぜ突然死したのか 体をむしばんだ"ふれあい展示"の代償

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アヒル
“命の学び”につながるふれあい展示では、動物たちの負担も考えなければなりません(写真:HIME&HINA/PIXTA)
  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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ある動物園の若い飼育員さんから、「ふれあい展示で飼育していた15歳のオスのアヒルが、突然死んでしまいました。人に感染する病気が原因だったらいけないので、病理解剖をしてもらえませんか」という依頼がありました。

実際、過去に日本国内では、鳥類展示施設で飼育されていた鳥から人へのオウム病の集団感染や、観光牧場のウシから人への腸管出血性大腸菌の感染が報告されています。この動物園には獣医師が常駐しておらず、飼育員さんは、普段から動物の健康管理について不安を抱えていたそうです。

野生の鳥にはない「病」

遺体を受け取って、病理解剖を始めます。

遺体にメスを入れる前に、まずは外観をくまなく観察します。肉付きがよく、栄養状態は良好そう……ただ、両方の足の裏に「趾瘤症(しりゅうしょう)」がありました。

趾瘤症とは、鳥の足の裏に起こる慢性の炎症です。まず、足の裏に魚の目やタコのような皮膚の硬化が起き、やがて傷や潰瘍をつくります。そこに細菌が感染すると、炎症は足の深い部分へ広がり、膿がたまったり肉芽組織ができたりします。重症化して、骨髄炎や全身感染に至ることもあります。

動物園などでは、患部に包帯を巻いたりクッションのようなものを当てたりして対処します。しかし、足は常に体重のかかる場所ということもあり完治が難しく、再発も少なくありません。片方の足が痛くなるともう片方の足に体重をかけるようになり、その結果、両足とも悪くなってしまうこともあります。

実は、野生の鳥では趾瘤症をほとんど見ません。つまりこれは、動物園などで飼われている鳥に特有の病気です。

飼育下の鳥は、コンクリートなどの硬い床の上で長時間過ごしています。また、閉鎖的な空間では運動不足になりやすく、餌にも困らないため太りやすくもあります。こうした要因が重なって、野生の鳥よりも大きな負担が足の裏にかかるのでしょう。

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