現在は事故の調査と法的手続きが本格化しているが、その予備調査の段階で、衝突を引き起こした脱線の原因は線路の破断であり、その兆候は事故の22時間前に特定されていたことが明らかになった。
事故当該区間の信号システムを担当する日立レールが鉄道事故調査委員会(CIAF)へ送った技術報告書によると、事故が発生する約22時間前の段階で、線路回路の電圧低下が確認され、現場の線路に不具合がある可能性があると報告していたことが判明したのだ。
この点についてAdifは、電圧異常が記録された事実は認めつつも、検知システムのデータは通常、定期的なメンテナンス時や故障の後にのみ分析されるため、記録された情報は事故の前に精査されることはなかったと釈明した。

「完全ではなかった」線路の点検
線路の点検が正しい方法で定期的に行われていたかどうかは、事故調査および法的手続きの一環として精査されている事項の一つである。
スペイン紙『20 Minutos』の3月25日付報道によると、Adifのペドロ・マルコ・デ・ラ・ペーニャ会長は国会での質疑応答で、2025年11月10日に行われた直近の全面点検について、「線路点検用車両によって完全に実施されたものではない」と説明した。その代わりに、運輸省の技術コンサルタント会社、イネコ(Ineco)の技術者が徒歩で超音波検査を行ったという。
Adifはその後、改めて超音波検査を実施したが、この検査はイネコが要検査と指摘した特定の箇所のみで、部分的なものにすぎなかった。デ・ラ・ペーニャ会長も「これは(全線にわたる)連続的な線路検査ではなく、イネコによって指摘された部分のみを検査するものだった」と認めている。
つまり、線路の完全な点検が行われていたとは言えない状態だったことになる。

