米国とイランが和平に向け暫定合意したとの報道から1日以上が経過し、ホルムズ海峡を通ってペルシャ湾へ向かう空のタンカーの動向に、市場の注目が集まっている。空船の往来が増えれば、持続的な和平合意の見通しに対する信頼感が高まっていることを示すためだ。
ホルムズ海峡で16日、確認できたのはイラン関連の船舶や貨物に限られ、往来は少ないままだ。
海峡を安全に通航する具体的な方法について、詳細が今も明らかになっていないため、船主らは、運航再開に向けた準備に慎重な姿勢を変えていない。
2月末にイラン戦争が始まってから、ホルムズ海峡は事実上閉鎖され、船舶はペルシャ湾内に足止めされた。原油や天然ガスの大手生産国は世界の顧客への供給ができなくなり、生産停止に追い込まれた。船舶はイランによる攻撃の脅威にもさらされ、実際に飛翔体の攻撃を受けた船もあった。
モルガン・スタンレーのマルティン・ラーツ氏らは、リポートで「積み荷を積んだタンカーが湾外へ出ること以上に、空のタンカーが湾内へ入るペースの方が重要かもしれない」との見方を示した。そのうえで、船主や保険会社がホルムズ海峡を安全に通航できるとどの程度確信できるかが、再流入を大きく左右すると述べた。
ケプラーのアナリスト、マット・ライト氏らのリポートによると、米イラン間の合意が成立した場合、優先される積み荷を積んだ船舶の出航があるため、ペルシャ湾に入る空船の通航は、いったん制約されるとみられる。海峡に入る船舶数は、現在の1日当たり約15隻から、合意後最初の1カ月の終わりまでに約40隻へ増加し、その約60%をタンカーが占める見通しだという。
原油やLNGを運ぶ空船の多くは通常、ホルムズ海峡を通過する前にオマーン湾で待機し、燃料や補給物資を積み込む。ケプラーがまとめたデータによると、現在この海域には、他の商品の輸送船も含めて300隻超の空船が待機している。
アジアの船主や船舶ブローカー、トレーダーらはブルームバーグ・ニュースに対し、ペルシャ湾へ再び船舶を送り込む方法についての話し合いが増えていると明かした。ただ、計画を本格的に進める前に、円滑な通航事例がさらに増えるかどうかを見極めたいという。
ホルムズ海峡再開の合意が発表される数週間前から、一部のタンカー船主は、再開後の高い運賃を見込み、船舶を海峡近くへ移動させ始めていた。戦争中は慎重姿勢を取っていたインドも先月末、ペルシャ湾へ船舶を派遣して貨物を積み込む計画を正式に決定した。
原題:Empty Tankers Entering Gulf Via Hormuz Are Key for Energy Market(抜粋)
--取材協力:Stephen Stapczynski.
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著者:Weilun Soon

