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ビットコイン半値の"冬"に「銘柄5倍」攻勢を仕掛けたメルカリの勝算、コインチェック提携で「眠れる200万口座」は動くか

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井坂友之と中村奎太
会見に臨んだコインチェックの井坂友之社長(左)とメルコインの中村奎太CEO(写真:筆者撮影)
  • 斎藤 健二 金融・Fintechジャーナリスト
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その水準について公式の開示はないが、暗号資産メディアなどの実測では、ビットコインで売買往復5〜6%程度に達するとの調査が複数ある。板取引の取引所形式なら手数料は0.1%以下から無料が相場で、桁が2つ違う。1万円分を買ってすぐ売れば、それだけで500円前後が消える計算だ。上乗せがないことと安いことは別の話である。

もう1つの論点は、責任の線引きだ。新銘柄の購入時には「コインチェックのサービスを利用して購入します」という同意画面を挟むが、その後の資産はメルカリアプリ内でほかの銘柄と一覧で管理され、利用者の体感は「メルコインで買っている」に近い。

では事故が起きたら、誰が責任を負うのか。中村氏は説明責任を「われわれのほうでも背負っていく」としつつ、暗号資産の流出時にメルコイン側の補償は「基本的にはない」と答えた。詳細は「協議や状況に合わせて議論していく。現時点でオープンにできるところはない」。買うのは簡単だが、事故の際の線引きは外からは見えないままだ。

入り口の簡単さとは不釣り合いな「責任の所在」

「誰でも持てる」を作った400万口座は、これから「もっと持ちたくなる」の奥へと誘われていく。少額から買える仕組みは、暗号資産に触れる人を増やす。一方で、利用者の多くが未経験から始めている以上、銘柄数の拡大はそのままリスク理解の課題にもつながる。

両社は400万口座をどこに導こうとしているのか(写真:筆者撮影)

銘柄拡充は、事業戦略としては合理的だ。問題は、その合理性に見合うだけの説明が利用者側に届いているのか。

スプレッドの水準も、事故が起きたときの責任の所在も、入り口の簡単さとは不釣り合いに見えにくいままだ。1円から数タップで買える手軽さと同じだけのわかりやすさを、コストとリスクにも与えられるか。それが、棚を5倍に広げた両社に残された宿題だ。

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