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ライフ #ジモトのアタリマエ──観光客の知らない知恵と常識

かつての"日本のハワイ"なのに、霜は降りるし最南端のスキー場もある…「南国ですよね」に首をかしげる宮崎県の真実

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宮崎県日南海岸の鬼の洗濯板
「鬼の洗濯板」と呼ばれる奇石群で知られる日向灘(写真:k_river/PIXTA)
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串間市にある都井岬も、日本在来馬の一種である「御崎馬(みさきうま)」の生息地として観光客を集めている。かつては宮崎交通が運営する「都井岬観光ホテル」など、数多くの宿泊施設もあった。日向灘を一望できる雄大な景色の中、広大な草原でのんびりと草を食む様子を間近で眺められる。岬内に整備されている道路や、観光拠点施設「PAKALAPAKA」の周辺などで、人間の事情などお構いなしに行動する馬たちを見ていると、どこか自由な気持ちになって心地よい。

都井岬(串間市)に棲息する「御崎馬(みさきうま)」。新婚旅行ブーム当時は、全国から新婚カップルが訪れたという(写真:編集部撮影)

1960年代には、清宮内親王(現・島津貴子さん)ご夫妻と、皇太子明仁親王・美智子妃夫妻(現在の上皇ご夫妻)2組の皇室カップルが宮崎を来訪。加えて、NHK連続テレビ小説『たまゆら』の舞台に選ばれ、キャストに岩下志麻、津川雅彦らを迎える。さらに、宮崎交通のバスガイドを主人公とした松竹映画『100万人の娘たち』も公開。日南海岸やサボテンハーブ園など、南国情緒あふれる光景がメディアによって披露されることとなり、「宮崎=南国」のイメージは広く全国へ定着していったという。

その後、海外渡航自由化や沖縄の本土復帰などによって、徐々に「南国」はめずらしくなくなった。しかし、宮崎だけの特別感こそ薄れていったものの、令和の現在も「宮崎=南国」の図式がなくなったわけではない。

薄まりつつも、消えない南国のイメージ

SNSで「宮崎 南国」と検索すれば無数のポストがヒットし、県外の方々が景観や気候の魅力を讃えている。全国の自治体とポケモンがコラボする「ポケモンローカルActs」では、南国感あふれるヤシの木のような見た目の「ナッシー」と「アローラナッシー」が「宮崎だいすきポケモン」に任命。コラボ商品や「ポケふた」と呼ばれるデザインマンホール蓋などが展開され、宮崎の南国イメージを県内外に発信している。

ヤシの木のような見た目のポケモン「ナッシー」と人気のポケモンが一緒に描かれた「ポケふた」は県内26市町村すべてに設置されている(写真:筆者撮影)

また、地元においても南国のイメージを保ちたいという思いは大きい。国道220号沿いに植えられたワシントニアパームが、管理の難しさから伐採の危機に陥った際に宮崎市民に対して行われたアンケートでは、「今の景観を残してほしい」という声が8割を超え、結果として植え替えが行われた。ワシントニアパームは宮崎のほかにも大分や鹿児島、福岡にも並木があるが、同様に管理上の問題が発生し、いずれも規模を縮小させているというから、やはり「南国のイメージを大切にしたい」という思いが少なからずあるのではないだろうか。

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