高鉄新竹駅は当初ベッドタウンとして栄えた。まず、高鉄の駅から8kmしか離れていない新竹サイエンスパークで働く人々が移り住んだ。そして高速鉄道なら台北まで30分程度という利便性を生かし、高騰する台北市内の住宅価格を嫌い台北市内からも人口が流入した。その結果、周辺に高層マンションが続々と建設され、駅の利用者数は開業当時の7倍に増えた。
サイエンスパークで働き、台北に「新幹線通勤」する世帯は比較的高収入だ。彼らの消費ニーズを満たす大型の商業施設やレジャー施設が必要になった。さらに新竹サイエンスパークが手狭になり、新たなオフィススペースの必要性に迫られた。
通過点から「ハイテク産業の玄関口」に
高鉄新竹駅前の開発用地は政府(交通部)が所有しているが、もともとは1998年に政府と高鉄の間で結ばれたBOT契約に基づき、高鉄は新竹、さらに桃園、台中、嘉義、台南の5つの駅周辺の開発権利(50年間の地上権)が付与されていた。
しかし、高鉄開業後の財務悪化により、2015年に政府主導で「高鉄財務改革プラン」が実施され、高鉄は5つの駅前開発用地の地上権をすべて政府に返還した。そして現在、政府は民間企業に地上権を付与し、オフィスビルや商業施設の開発が行われている。かつてはただの通過点にすぎなかった高鉄新竹駅が、世界中から集まるビジネスパーソンやエンジニアを迎え入れる台湾ハイテク産業の新たな玄関口へと生まれ変わろうとしている。
2027年に第1期が完成予定。高層ビルばかり並べるのではなく、緑地や遊歩道のスペースをふんだんに設けることで新竹のランドマークになるべき存在を目指す。「同様の駅周辺開発モデルは、桃園、台中、嘉義、台南などの各高鉄駅でも展開している。ぜひお立ち寄りいただきたい。いつでもご案内します」と楊氏は胸を張った。
