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個人情報を守りながら秘書になる…アップルが示した「パーソナルAI」の衝撃、ティム・クックCEO最後のWWDCで見えた次の10年

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アップルはこの秋、例年通り同社全製品のOSをアップデートするが、Apple Intelligenceは、それより少し遅れて2027年、まずは英語圏で展開を始める。日本語対応の提供が始まるのはその後の予定だ。EU圏と中国では当面提供の予定はない。(写真:アップル)
  • 林 信行 フリージャーナリスト、コンサルタント
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健康系でも閉経前期の周期変動の通知、症状ログ、教育コンテンツを提供する機能がついたり、AirPodsにもカスタムイコライザを設定する機能が追加されたりと、実にさまざまな新機能が用意されている。

しかし、すべての人にあまねく恩恵を与えるのはシステムパフォーマンスの向上だろう。ネットではアップルはOSを更新するたびに古いMacやiPhoneでの動作をわざと遅くし買い替えを促しているといった陰謀論が今でもたまに聞こえてくるが、実際には同社はこれまでも新しいOSにアップグレードすることでシステム全体の無駄が削ぎ落とされ、動作が軽快になることが少なくなかった。

この秋のアップグレードでは、このパフォーマンス向上の部分を、かなり意図的に仕掛けているようで、iPhone 11などの7年以上前の古めの機種でも動作が軽快になることを約束している。

iPhoneでは、まずアプリ起動が最大30%高速化し、撮影後の写真読み込みが最大70%高速化、AirDrop 転送が最大80%高速化、モバイル通信とWi-Fi間の切り替えのシームレス化し、外部ドライブとiPad間の転送が最大5倍高速化(Mac の Finder と同等速度)したり、たまにアップル製品の動作を突然遅くしていたスポットライト検索機能用の索引の仕組みも全面的に刷新するという。

賛否を呼んだ「Liquid Glass」の操作画面も透明度を調整するスライダーが加わり、好みに合わせて見やすさを設定できるという。

秋の最新アップルOSでは、古いiPhoneも含め動作対象になっているすべての機種で動作がキビキビして使いやすくなるという(写真:アップル)

クックCEO最後のWWDC

今回のWWDCはティム・クックがCEOとして立つ最後のイベントという点でも注目された。クックは9月1日付でCEOを退き、ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長のジョン・ターナスにその座を譲る。

基調講演の最後では、クックがこれまでの歩みを振り返りつつ、今日発表した数々の機能、そしてこれから登場するものを通じて、「アップルの最良の時はまだこれからだ」と少し涙ぐみながら語ったのである。

思えば、パーソナルコンピューターという言葉が生まれたとき、それは大型計算機を一部の専門家から「個人の手」に取り戻す運動だった。いま起きているのは、巨大なAIを、やはり一人ひとりの生活と文脈に引き寄せる動きだ。クラウドの彼方にある汎用の知能ではなく、あなたのメールを、あなたの写真を、あなたの一日を理解する、あなたのためのAI。アップルが今回示したのは、まさにその「パーソナルAI」への布石だった。

派手な打ち上げ花火のような機能発表は少なかったが、長い時間をかけて作ってきた人々が信頼して仕事を委ねられるAIがついにその頭角を現した。真価が分かるまでに少し時間がかかるのかもしれないが、退任を前にしたクックCEOの最後の懸けが結実したのが、WWDC26だったことは記憶しておく価値がありそうだ。

今回のWWDC26は、ティム・クックがCEOとして基調講演を行う最後のWWDC。「未来は明るいと信じている」と述べたクック氏、在任できたことを誇りに思うと振り返ってもいた(写真:アップル)

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