脂肪肝は「異所性脂肪」がたまる病気
脂肪肝というと、お腹まわりにつく“内臓脂肪が肝臓にもついている状態”と思っていませんか。実は、肝臓につく脂肪は、内臓脂肪とは違う種類のものです。
私たちの体につく脂肪には、大きく分けて「皮下脂肪」「内臓脂肪」「異所性脂肪」の3種類があります。皮下脂肪は皮膚の下につく脂肪、内臓脂肪は胃や腸のまわりにつく脂肪です。どちらも本来、余ったエネルギーを蓄えるための場所です。
一方、異所性脂肪とは、本来脂肪がつくはずのない場所につく脂肪のこと。肝臓のほか、筋肉、心臓などにたまります。脂肪肝は、肝細胞のひとつひとつに、まるでラーメンスープのアブラのように脂肪が蓄積している状態です。
肝臓は脂質の代謝を担う臓器ではありますが、脂肪をため込む場所ではありません。だから肝臓に脂肪がたまると本来の機能が低下して、脂質や糖の代謝がうまく働かない状態になってしまいます。
近年、脂肪肝は「MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」という名前で呼ばれるようになりました。単に肝臓に脂肪がたまるだけでなく、高血糖や脂質異常、高血圧などの代謝異常を背景に持つ病気だということです。
現在、成人の3人に1人が脂肪肝とも推計されており、もはや一部の人だけの問題ではありません。しかも日本人では、肥満ではないのに脂肪肝になる「やせ型脂肪肝」が少なくないことが知られています。

