香害に悩み閉店したカフェ。那須だから再出発できた
「那須まちづくり広場」は、高齢者向け住宅だけではなく、通常の賃貸住宅もある。50代で多世代賃貸住宅「ひろばの家・那須3」に入居をした庄司さん夫妻は、那須まちづくり広場内にあるベーカリーとスペシャルティコーヒーの「コトリコーヒー」の店主でもある。
もともとは宮城県で地域に根差したベーカリーカフェを営んでいたが、「化学物質過敏症」を夫婦で相次いで発症したことで、店を閉めざるを得なくなった。いわゆる「香害」と呼ばれるものだ。
「カフェを続けていくために、お客様に合成洗剤や香料の自粛をお願いするなど、必死に試行錯誤を繰り返しました。しかし、目に見えない香害への理解を得ることは想像以上に難しかったのです」と、庄司さんは当時を振り返る。結局、2019年にカフェは閉店となった。
「当時はまだ“香害”の認知度も低く、なんで? と言われることも多かったんです。特に常連のお客様に言われたときはきつかったですね。
ネット上で『人のせいにするな』、『体質を変えればいい』とバッシングにあったときはかなり辛かったです。ただ、同じ症状に苦しむ方たちから『発信してくれてありがとう』という言葉をいただいたときはうれしかったです」
その後、パン・コーヒーの製造・委託販売を続けてきたが、当時は暗いトンネルの中にいたような気持ちだったと振り返る。
