「高齢者が住みながら、そこにコミュニティがある。普通はこんな場所はないですよね。外からの人もたくさん来ている。閉鎖的じゃないのが、この場所のすごくいいところ。“小さな町”だなと感じます。
一番の安心感は、何かあった時に助け合えること。足を骨折したりした時に、『買い物に行ってあげるよ』とか『ゴミを出してあげるよ』と、皆が自然に声をかけてくれるんです」
都会暮らしでは感じられなかった、“制度”の外にある、ゆるやかな交流が、生活を豊かにしてくれると実感しているそう。
「挨拶をしても、その後が必ず一言二言あるんです。すぐにお茶に誘ったり、野菜のお裾分けがあったり。都会で家族がいなかったりすると、いくら便利でも不安なものです。でも、こうしてまとまって住む形なら、安心だと思えます」
まだ老後ではないからこそ、50代のうちに決断
「ひろばの家・那須1」は、サービス付き高齢者向け住宅という特長ゆえに、60歳以上が対象だが、60歳を見据えて、50代のうちに移住を決めた方もいる。
東京の下町生まれのHさんは、入居直後に60歳を迎えた。それまでは外資系企業でバリバリ働いてきたキャリアを持つ女性だ。
「友人は驚きましたよ。“高齢者向け? まだ早いんじゃない”って。でも、いつか、は必ず来るわけで。だったら、今の段階で準備してもいいんじゃないかと思ったんです。もうかなり働いてきたし、新しい環境で新しいことに挑戦したいと考えました」
持ち家マンションを売却し、現在は大学で空間演出デザインを学んでいる。
「最初は驚いていた友人も、遊びに来ると、すっかり気に入った様子でした。自分も住んでみたいと話しています」
