東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #岐路に立つ日本の財政

〈消費減税〉を実現するだけで「選挙公約を守った」といえるのか? 一体不可分な条件「特例公債に頼ることなく」はどうする

6分で読める
高市早苗首相
消費減税は悲願(写真:つのだよしお/アフロ)
  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授
2/3 PAGES
3/3 PAGES

この上昇要因はさまざまにあるが、財政を健全に運営していたとしても物価が上がれば、その分だけ(名目)金利も上がって何ら不思議ではない。

国債金利が上がったところで、積極財政に支障はないという言説もある。しかし、日本国債残高はすでに1100兆円を超えている。国債金利がこれまでより1%上がるだけで、利払い費はやがて11兆円ほど増えることになる。消費税減税を実施するために必要な財源を確保できたとしても、その2倍もの規模で利払い費が増える。

金利が上がることと連動して経済成長率、さらには税収が増加するとは限らない。だから、利払い費が増えると他の政策的経費を圧迫することになる。

短期化する国債年限、借り換えるたびに金利が上がる

26年度当初予算段階で、26年度にあらかじめ年限を定めて発行する国債は、2年以下の国債が全体の48.3%を占めている。つまり、年限をあらかじめ定めて新規に発行する国債のほぼ半分は、2年以下の満期と短くなっている。2年以下の満期の国債だと、翌年度か翌々年度には借り換えをしなければならない。その時に金利が上がっていれば、上がった金利で利払いをしなければならない。低い金利で発行した国債で、低金利の恩恵をいままでのように長きにわたり受け続けることが、もはやできないのが日本政府の実情である。

特例公債に頼った消費税減税は、公約違反である。消費税減税に必要な財源を特例公債に頼らざるを得なくなれば、国債金利は上がりこそすれ下がることはない。その悪影響は、前述の通り計り知れないことを強く認識しなければならない。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象