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「ビジュアルに統一感がなかった」「刷新後、社内から不評の商品も」…トンボ鉛筆「MONO」はいかにしてブランドになったか

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「MONO」消しゴム
青・白・黒のトリコロールカラーが印象的な「MONO」ブランドの誕生秘話(写真:株式会社トンボ鉛筆)
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「1990年のバブル崩壊までが、『ZOOM』の一番よかった時期ですね。普段はデザイン文具を売らないような路面店でも、販売していましたから。でも、バブルが弾けると一気に返品の山になってしまって……。

我々も『ZOOM』を大切にしていたんですが、そこに経営資源を投下するよりは、やはりオフィス文具に集中した方がいいだろう、という判断になりました。

ただ、フェードアウトさせるつもりはなく、細々と作り続けていました。その後、2023年にリブランディングを行い、現在は日本発のコンテンポラリーデザインペンとして、再び注力しているところです」(亀井さん談)

しかし、この経験からトンボ鉛筆には独自の価値観が根付いた。デザイン文具は、デザイナーの感性を優先した「プロダクトアウト」。一方で、オフィス向けの定番製品は、エビデンスに基づいた「マーケットイン」という考えだ。

「ブランドとは何か」すら、わからなかった

ここまで、「消す・貼る」の分野で業界トップを走っていたトンボ鉛筆だが、2000年代に入ると初めて大きな壁にぶつかった。修正テープ市場の成熟化である。

業界各社が機能・仕様・価格で追随してきたことで、「横引き」「自動巻き取り」はもはや差別化の武器にはならなくなっていたのだ。修正テープは会社の収益基盤になりつつあっただけに、コモディティ化の影は重くのしかかった。

こうした苦境のなか、同社が打った手は機能の革新でも、デザイン性の向上でもなかった。それは、ブランドの価値を再定義することだった。

「当時、『MONO』ブランドの各商品はビジュアルがバラバラで、統一感がまったくなかったんです。パッと見たときに、『MONO』だとはわからない状態でした。

これには理由があって、そもそも社内では『MONO』は商品名としての認識が強く、ブランドだ、という概念がなかったんです。けれど、機能的価値だけではこの先やっていけないとわかった段階で、ブランド作りに力を入れることにしました」(亀井さん談)

左下の2商品が以前のパッケージ。「MONO」カラーが統一して使われていたわけではなかった(写真:筆者撮影)
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