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イーロン・マスクが本当に守りたいのは「人類」ではない…「子どもを増やせ」と訴え続ける"14人の子の父"に潜む危うい思想

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イーロンマスク(写真:ブルームバーグ)
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マスクは、少なくとも14人の子供の父親になることで、人口減少問題に個人的に取り組んできた。最初の7人は全員男児として生まれてきたが、これは胚移植前に能動的な性選別をおこなったと考えなければ説明できないほど、統計的に起こりにくい事態である。

マスクは、ロケットや自動車に対して取ったのと同じアプローチを子供たちの教育にも採用した。つまりすべてのプロセスを「自社内で」おこなったのである。ロサンゼルスの私立学校に不満を抱いた彼は、2014年にスペースXの工場内に「アド・アストラ」と呼ばれる独自の学校を設立した。

子どもの教育もロケットづくりと同様のアプローチをする

家族の成長に合わせて、彼のオーダーメイドの施設も成長していった。テキサスへの移住や、テキサス内での移住の際には学校も一緒に移った。2021年にブラウンズビル、2024年にはバストロップと、彼の工場や産声を上げたばかりの企業城下町の隣に学校が建てられた。かつてヘンリー・フォードがアマゾンの熱帯雨林に新しい町を建設したように、マスクは国家の壁の内側に、そうした町を築いていた。

教育を自社の壁で囲うようなコンパウンド的アプローチは、シリコンバレーの同業者たちが立ち上げていた事業とも通じるものがあった。テキサスでは「ベゾス・アカデミー」のプリスクールが作られ、パランティアの共同創業者ジョー・ロンズデールもオースティン大学を設立。2023年には、マスク自身も1億ドルを投じ、大学建設まで見据えた新しい初等・中等科学学校を立ち上げた。それを讃え、テキサス州のグレッグ・アボット知事は「マスク大学 > ハーバード大学」と投稿している。マスクはより子供じみた名前を提案した。「テキサス工科科学大学(Texas Institute of Technology & Science)」――略して「TITS(おっぱい)」である。

一方で、マスクは自称「出生主義者」であるシモーヌとマルコム・コリンズ夫妻と過ごす時間を増やし始めていた。マルコムの兄弟で、不妊治療クリニックを運営しており、のちにDOGE(米政府効率化省)に加わった。

2022年、コリンズ夫妻は人工子宮を完成させた億万長者が、自身のDNAで文明を再構築するかもしれないという予測を述べている。彼らの子供たちの名前は、タイタン・インヴィクタスやインダストリー・アメリカスといったもので、マスクとの共通性は明白だった。

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右派インフルエンサーのアシュリー・セントクレアが、自身とマスクのあいだにロムルス――ローマの神話上の建国者――という名前の子供をもうけたと発表したとき、血統による帝国建設という空想が明確に感じられた。ローマ帝国の家父長制の血統モデルが、マスキズムには付きまとっている。衰退は、新たな帝国の血統を築くことによって、ふたたび繁栄に向かうだろう。あるときマスクは、セントクレアにこんなメッセージを送っている。「アポカリプスの前に『軍団レベル』の数に到達するためには、代理母を使う必要があるだろう」。

「塀の中のマスク」は、人類の地平を白人出生率の防衛へと縮小させ、さらにその地平を、子どもたちが公教育の外で育てられる私的居住地の内部へと縮小させる。かつて銀河にまで広がっていた未来は、家庭の周囲を囲むフェンスのなかへと収束していく。壮大でありながら閉鎖的なコンパウンド・マスクにおいて、マスキズムの宇宙的なスケールは、たったひとりの家父長の財力によって多くの子宮の果実を養うという、小さな現実へと萎んでしまう。

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