所属グループを明確化する合理的な形状
前方後円墳は英語では「Keyhole Shaped Tombs(鍵穴式古墳)」と呼ばれるが、鍵穴の形状は上空からしかわからない。この特殊な前方後円墳の形状についてはさまざまな説があり、解決を見ていない。
それまでにあった陸橋付き円形周溝墓から「ハシ」の重要性が高まり、前方部が発展した可能性を示したが、単なる祭祀施設の役割のみならば、よりシンプルな形状でもいいことになり、この説のみでは説明がつかない。
前方後円形は中国王朝には見られず、朝鮮半島でも5世紀以降に日本から移住した倭人が多く住んだ南西部にしか見られない。前方後円形が日本独自の形状であることは間違いない。
これまで、特殊な形状について、中国の思想に基づいた天円地方(天は円形、大地は方形という宇宙観)を模したとするものがある。しかし、前方後円墳は天と地が並べられており、天円地方を明確に表しているとはいい難い。

