これは日本企業にとって極めて大きな文化の変化だが、AI攻撃は人間の速度を待ってくれない。
「AIを使わない」もまたリスク
多くの企業でAI導入スピードは遅く、収益化にまで至っていないケースが大半だ。しかし、AIを使わないこともまたリスクである。今は「いかに安全・実効的に活用するか」を考える局面だ。
アメリカでは労働者が取って代わられることからAI反対運動も起きているが、少子高齢化と人手不足に直面する日本において、AIは「社会と産業を維持するための不可欠な基盤」である。適切なガードレールを整備し、積極的に活用せねば国際競争力を失う。
サイバーセキュリティにおいて、AIはSOC運用やインシデント対応、脆弱性分析などの大部分を自動化しつつあり、アラートの95%自動化を掲げるベンダーも登場している。
企業はAIを禁止するのではなく、「使いこなしながら制御する」方向へ進むべきだ。そのためには、以下の新しいAI思想が不可欠になる。
- シャドーAIの可視化:社員が会社に無断で使っている「隠れAI」を把握する
- AIエージェント監視 :自社のAIが勝手な判断や暴走をしていないか見張る
- データガバナンス :AIに機密データを学習させないよう、データの扱いを厳格にする
- リアルタイムのランタイムセキュリティ:AIの稼働中にリアルタイムで攻撃をブロックする
- AIフォレンジック :AIが問題を起こした際、原因やログをデジタル鑑識・分析する
フロンティアAIは、サイバー攻撃の未来ではなく、すでに「現在進行中」の案件だ。問われているのは、「AIを導入するかどうか」ではなく、AI時代のスピードに合わせて、企業そのものを変えられるかどうかである。


