1999(平成11)年と2011(平成23)年のマスタープランでは、六郷土手駅周辺は最も小さい拠点である「地区の生活拠点」に位置付けられた。
2022(令和4)年のマスタープランでは分類が「中心拠点」と「生活拠点」のみとなり、六郷土手駅は「生活拠点」にも指定されておらず、拠点から外されている。行政も優先度が低いエリアに位置付けていることが読み取れる。
六郷土手駅周辺は「商店街の持続的な発展を図るとともに、生活機能の集約、多摩川河川敷と連携したにぎわいの創出などにより、地区に密着した魅力ある生活環境づくりを進めます」と書かれている。「工場と住宅が調和した都市づくりを進めます」との方針も示されている。住工混在市街地の維持がベースにあるため、再開発の対象にされにくい。
一見、ターミナル駅に近いとその利便性の高さから再開発されそうに思えるが、そうとも限らないのである。
鉄道と地形が行方を分けた
六郷土手駅周辺はかつて江戸の入り口で水陸の重要な拠点として発展したが、その後の鉄道の開業により、蒲田が大田区の中心拠点として栄えていくことになった。
蒲田、川崎の一大拠点に挟まれていることから商業集積や高度利用の必要性が低く、行政としても住工混在市街地の維持を目指している。駅南側の広大な敷地である多摩川河川敷は、地域住民のレクリエーションの場として活用されている。
鉄道と地形が街の行方を分けたのである。
