しかし、世の中の昇降式キッチンは車椅子利用時などを想定したもので価格的にはかなり、かなりお高い。そこで山本さんはオフィスなどで使う昇降式デスクを転用した。これなら2万~3万円から買えるものもある。
「通販で昇降式デスクを購入、そこに洗面所のシンクを設置してキッチンにしたいと言われたのですが、問題は上下動に合わせて排水管を伸び縮みさせなくてはいけないこと。考えた挙句、プラスチック製の蛇腹の管を繋いで動くようにしました」(山口さん)
"後から手を入れるための箱"
キッチンは当初、シンクと作業スペースだけの場所で、それはサウナストーブを料理にも使う、キッチンには加熱機器は不要という、料理をする気のあまりうかがえない山本さんの要望から。
現在は彼女である能瀬さんが料理好きで、作業台にカセットコンロを置いているが、換気扇が今どき見ない壁付けのフードカバーのないタイプなのはここでは料理をしないという前提からだ。収納もほとんどない。後から手を入れるための箱という家なのである。

