当初は、国が地方創生施策として進めていた「生涯活躍のまち」の流れを受けた構想だった。健康なうちに地方へ移り住み、医療や介護ともつながりながら暮らし続ける、という考え方で、佐久市では「医療連携・健康づくり推進型」として検討が進められていた。
そのため、団地再生の構想段階では「50歳以上の移住者」を想定していたという。
しかし、構想の具体化と前後して、前提は変わっていく。国の「生涯活躍のまち」の考え方が中高年齢中心から全世代型へと広がった。また、19年の台風19号や翌年からのコロナ禍も重なり、入居募集は難しくなっていったという。
方針は年代で区切らない移住者向け住宅へと変わり、21年3月、「ホシノマチ団地」がスタートした。
「移住者が団地に住むのか」という不安
「団地はごっそり16室空いている状態でした。まずは8室から始め、半年で6室を埋めなければプロジェクトは中止になる、という条件のもと始まりました」
そう語るのは、「みんなのまちづくり」の牧原一樹さんだ。牧原さんは団地管理スタッフであり、第1号の入居者でもある。夫婦で移り住み、誰もいない住棟でポツンと暮らし始めた。
