ブラジルサッカー連盟のコロネル・ヌネス会長は選挙後、「誰がどこに投票したか、公表されるとは知らなかった。アメリカはすでに1994年に開催しており、モロッコは初開催のチャンスだと考えた」と弁解した。
共催プランがアメリカ大陸を一枚岩にしたのだ。投票の結果は、北中米開催134票に対して、モロッコ開催65票、終わってみれば北中米の圧勝だった。アメリカは2022年W杯招致に敗れたリベンジを見事に果たした。
「買収型」から「外交型」へ
FIFA理事のみによる投票から、すべての国が投票権を持つ制度に変わり、W杯招致は「買収型」から「外交型」に大きく変わった。
各連盟の加入協会数はアフリカ54、アジア47、ヨーロッパ55、北中米カリブ海41、南米10、オセアニア11で、もはや過半数の買収は実質的に不可能になったのだ。
これからは外交力やイメージ戦略が大きなカギになる。アメリカのように共催を選ぶ国が増えていくだろう。
実際、2030年W杯はスペイン・ポルトガル・モロッコによる共催で、部分的にウルグアイ・アルゼンチン・パラグアイでも試合が行われる。
かつてない広範囲の大会になった背景にはほかの「裏事情」もあるのだが、単独開催では選挙に勝ちづらくなっているのは間違いない。
今後、W杯はますます地政学的なテーマになっていくだろう。

