子どもが2歳になった頃、専門的な治療を開始することを決めた新井さん。かかりつけ医にその旨を伝えた。
最初の薬はリウマトレックス(一般名:メトトレキサート)という飲み薬だった。関節の炎症細胞が増殖する際に必要な葉酸の働きを抑えることで効果を発揮する薬で、関節リウマチ治療では第一選択薬となっている。
確かに効果はあった。だが、新井さんの場合は副作用が強く、大変だったという。
「週1回の服用でしたが、飲んだ翌日は吐き気や倦怠感、食欲不振がひどくて。関節の痛みは抑えられたけれど、重い副作用には悩みました」
それでも服用を続けて2年が経過。そんなある日、異変に気づいた。「足裏だけでなく、足首、ひざ、肩にも激痛が起こるようになりました。急に薬の効果がなくなったんです」。
すぐに主治医に相談するも、医師は「検査結果の数値は安定しているから、増量しましょう」。その結果、痛みはまったく引かないばかりか、重い副作用に苦しむという状況に陥った。
医師に治療の変更を直訴
「このままではダメだ」と思った新井さんは自分で調べ、主治医に「あまりに痛くて、生活の質が下がっているので、生物学的製剤を使ってほしい」と訴える。そして、レミケード(一般名:インフリキシマブ)という点滴薬を使うことになった。
「これで痛みが劇的に改善しました」と新井さん。
生物学的製剤には、関節リウマチの炎症や骨破壊を引き起こすサイトカインや免疫細胞を狙い打ちする作用がある。レミケードは生物学的製剤の1つだ。最初は頻繁に点滴し、少しずつ間隔を空けていく。新井さんの場合は、最終的には2カ月に1度くらいに落ち着いた。
だが、これも5年ほどで効き目が激減。そこで、皮下注射のエンブレル(一般名:エタネルセプト)に変更し、2週間に1回打つようになった。さらに、その7年後には皮下注射のアクテムラ(一般名:トシリズマブ)に変え、2週間に1回打つように。そして今に至る。

