窪田:バナナに限ったことではありませんが、農業に携わっていらっしゃると、気候の影響をダイレクトにお感じになると思います。全世界で気候変動が取りざたされていますが、何か実感されることはありますか。
森田:島バナナに関することだと、これまでに比べて沖縄に来る台風が減っている気がしますね。以前は沖縄から九州などに向かうコースの台風が多かったのですが、最近は東のほうにずれて、関東地方を直撃するようなものが増えていませんか?
これはまだ確実なことではなく、私自身の感覚に過ぎないのですが、それでも気候がじわじわと変わってきていることは肌で感じます。
農業におけるわかりやすい変化としてはもう一つ、お米の主産地も変わってきていますよね。これまでは北陸や新潟のお米がおいしいといわれてきましたが、今はその産地が北海道にも広がっています。
今年の4月には、気象庁が最高気温が40度に達する日の呼び方を新たに「酷暑日」と定めましたね。そういう言葉を作らなくてはいけないぐらい、気温が上がってきているということです。
「温暖化懐疑論」は正しいのか?
窪田:温暖化についてはいろいろな説がありますよね。太陽の黒点運動などの影響で、単純に周期的なイベントとして気温が上がっているのだと言う人もいれば、我々人間の活動で排出された二酸化炭素による温室効果の結果だと言う人もいます。森田さんはどうお考えですか?
森田:挙げていただいた前者の説は、「温暖化懐疑論」と呼ばれるものですね。懐疑論の人たちは、縄文時代に今よりも気温が高かったこと、江戸時代の気温がもっと低かったこと、小氷期があったことなどを論拠にしています。それは確かに事実です。
地球では周期的に気候変動が起きるのも間違いないのですが、でもそれは何千年から何万年という長い周期で変わるもの。100年程度で気温が上がるような、今起きていることとは全然違うことなのです。

