森田:先ほどお話しした「酷暑日」からも、急激な変化を見て取ることができます。1933年に、山形県で40.8度という高温が観測されました。それから70年ぐらい、この記録が更新されることはありませんでした。
それが21世紀に入ってからは、40度以上の日がバタバタと普通に現れるようになりましたよね。平均気温は明らかに2度ぐらい上がっているし、東京に至っては、ヒートアイランド現象もあって3度ぐらい高くなっているんです。これはもう、人為的な影響を抜きにしては考えられない。
気温上昇については、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)という、気象機関も気候変動は9割以上の確率で人為的なものだと言っています。私自身はこれを否定する根拠はないし、やっぱり地球の自然に、あまりインパクトを与えないほうがいいんじゃないかなと思っています。
窪田:いくら文明が発達しても、自然と切り離して考えてしまうことによって起こる副作用のようなものがありますよね。自分たちも自然の一部であるという謙虚さを持つのはすごく大事だと思います。
気象や自然と人間の体のシステムは似ている
森田:そうですね。私も若くして近視でメガネをかけるようになりましたが、これもいわば、文明に偏りすぎた生活の副作用だと思います。窪田先生の著書を拝読して、それを本当に実感しました。メガネをかければいい、何かの技術で自然をコントロールすればいいということではないのですよね。そういう風に考えていると、思わぬしっぺ返しがあるというか。
窪田:私も森田さんにお話をうかがって、気象や自然のシステムと、私たちの体のシステムは似ているように感じました。人それぞれ異なる好奇心に広く訴えかけて、いきいきとお天気を伝えていらっしゃるのが素晴らしいです。森田さんの天気予報はエンターテインメントであり、コミュニケーションでもあるのだなと感じました。
(構成:鈴木絢子)

