思えば、この番組は序盤から出演者が「恋リアっぽいー!」と盛り上がるなど、メタ的な視点を内包していた。そして、そのメタ視点の極みであり、もう1つのタブーに触れているのが、最終回の石丸伸二のこの発言だ。
「この演出よ……最後の最後まで僕をイラつかせましたね。ほんと見事です。クソみたいな構成でした」
「こんなひどい演出・構成って考えられるんだなと思って。想像する限り最悪のパターンになったと思います」
これは簡単に言えば、出演者の番組スタッフ側への文句である。それが使われること自体が異例だが、この発言を流すことで、番組は“演出”や“構成”があることを明示している。
恋リアの世界に没頭していた視聴者に急に冷水をかけた
すべての恋リアには演出がある――。
こう書いてみれば当たり前のことではあるのだが、それが番組内で出演者によって言及されるのは、これまた異例のことである。
出演者以外の姿はもちろん、声も入らないようにするなど、スタッフの存在感を消している恋リアも多い。スタッフの声など、やり取りが番組内で使われることがある恋リアでも、演出があることは暗黙の了解であり、前面にでることはない。
たとえばオーディション番組では、視聴者側が「悪編(あくへん。制作側が意図的に特定の出演者の印象を悪く操作する編集や演出のこと)」といった言葉を使って、番組側に文句を言う習慣が定着しているくらいだし、さすがに現代の恋リアの視聴者に、演出や編集が皆無だと思っている視聴者はいないだろう。
だが、視聴者は、あえてそこを過度に意識はせずに、ある種のショーとして楽しんでいるのである。
石丸のこの発言は、恋リアの世界に没頭していた視聴者に急に冷水をかけ、現実に戻すという意味で、やはり恋リアのタブーに触れていると言っていいだろう。
次ページが続きます:
【女性メンバーが号泣、謝罪】
