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今回の一件は80代女性の遺族が警察に訴え、かつ警察も納得できない点があったからこそ死体検案にいたりましたが、日本は望めば誰もが解剖してもらえる国ではありません。
日本では一般人がどれだけ望んでも、遺体の解剖をしてもらえないのが現実
海外の人には驚かれるのですが、日本では家族の希望で解剖できる制度が存在しないからです。遺族がどれだけ希望しても、「お金ならいくらでも払う」と訴えても、制度上不可能です。
その死が不審なものであるかどうか、最終的に判断するのは警察です。
警察が医師から話を聞き、不審な点は見当たらないと判断すれば、解剖は行われません。患者さんのCT検査をしてくれる病院はいくらでもありますが、通常の病院で死者のCT撮影は行えません。仮に遺体をもち込んだとしても、十中八九、病院側が拒否するでしょう。
今回の80代女性が解剖にもち込まれたのは、「なぜ低い水位の風呂で溺死するのか?」という遺族の主張に説得力があり、警察もそれに答えられなかったからです。
このような場面でこそ死因の謎を解くプロフェッショナルとして、法医解剖医が必要とされるのです。

