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なぜペルソナを作り込んでも売れないのか…ヒット商品を生む人が観察している「たった一人」の正体

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(写真: on/PIXTA)

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マーケティングの王道とされてきた「ペルソナ」が、今、現場で機能しなくなっています。架空の人物像をつくり込みすぎる罠を回避し、ヒットを生み出す新常識は「徹底した観察」です。売上を構成する「客数・単価・頻度」という3つの数字に、いかにして「感情」という血を通わせるか。西友やひまわり市場といった成功事例から、どこにもいない架空の誰かではなく、顔の見える「一人」を熱狂させるための新しいアプローチ方法を紐解きます。『ブランディング一年目の教科書 売れる価値のつくり方』から、抜粋・編集してお届けします。

お客さんの「月曜日の朝」に飛び込んでみよう

名優ロバート・デ・ニーロは、映画の役づくりのために実際にタクシー免許を取り、レディ・ガガは9カ月間ずっと役になりきって生活したといいます。それは、単にセリフを言うだけでなく、その人物が「どんな環境で生き、何に悩み、どう笑うのか」を、自分の体で理解したかったからです。ビジネスにおけるターゲット設定も、これと同じです。

「30代・男性・会社員」といった属性データだけを眺めていても、その人の生活にある現実は見つかりません。デ・ニーロがタクシーを走らせ、ガガが役になり切って生活をしたように、私たちも「相手の日常」に飛び込んでみることが大切です。その人は、月曜日の朝にどんな気分でベッドから起き上がるのか。仕事帰りのコンビニで、つい手に取ってしまうものは何か……。

この日常のワンシーンを観察することで大ヒットを記録したのが、アサヒ飲料の缶コーヒー「ワンダモーニングショット」です。それまで缶コーヒーは、一息ついたり、くつろいだりするときに飲むものとして開発されていました。確かにそれは間違いではありませんでしたが、調査を進めると、サラリーマンたちが朝のコーヒーを「よし、働くぞ」と気合のスイッチを入れるために飲んでいることがわかりました。求められているのは癒やしではなく、眠気を飛ばしてシャキッとすることだったのです。

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