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台湾の頼清徳政権が5月20日で発足2年となった。政権内に「任期後半も頑張るぞ」という意気はあまり感じられず、関係者から漏れ伝わるのは徒労感だ。
「こんな状況のままでは勝てない」。台湾与党・民進党のある幹部は筆者にメッセージアプリで2028年1月に行われる総統選挙についてそう吐露した。
頼政権への支持率は4月時点でおよそ4割。不支持率も約4割と拮抗し、再選の可能性は一見すると低くはない。それでも民進党内で重苦しさがあるのは、5月14~15日にかけて行われた米中首脳会談とその後のトランプ大統領の言動がもたらす台湾社会への影響が計り知れないからだ。
政策変更したわけではないが、影響大のトランプ発言
「誰かに独立してほしいと思っていない」「(台湾に武器売却を)するかもしれないし、しないかもしれない」「(売却は)中国次第だ、われわれにとって非常によい交渉材料だ」「彼ら(台湾)には冷静になってほしい」
中国の習近平国家主席との会談後、トランプ氏はメディアのインタビューや会見で台湾問題について相次ぎ発言した。アメリカの対台湾政策についてルビオ国務長官は「変更はない」と表明している。アメリカは台湾の独立は支持しないが、台湾の安全保障に関与するという「一つの中国」政策をとっている。
トランプ氏が「独立してほしくない」と語ったのは、言葉遣いが異なるものの従来の立場から変更はないと言える。17日にホワイトハウスが発表した米中首脳会談での合意に関するファクトシートでも台湾には一言も触れられておらず、「公式な政策変更がないのは間違いない」と台湾や日本、アメリカのそれぞれの外交筋は語る。
ただ、そのような厳密な背景よりもトランプ氏の言動の方がはるかにわかりやすい。ゆえに社会に及ぼす影響は大きい。
勢いづく「疑米論」は民進党に逆風
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