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海外駐在妻「自己嫌悪で涙、夫婦関係は崩壊…」仕事はせず、お手伝いさんもいるけど《心は限界》の必然

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取材に答える前川さん
駐在妻として、長男を妊娠中に1歳半の長女とともにタイに渡った前川さん(写真:筆者撮影)
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自分の気持ちを受け入れたら、次は信頼できる人に話してみてほしいと前川さんは言う。日本に住む人は海外駐在の状況を知らないため、理解されず相談しづらいかもしれない。

しかし、同じ帯同家族であれば、少なからず似たような悩みはあるものだ。悩みを口にして共感してもらえるだけで、気持ちが楽になることはある。「もし海外で話せる人が見つからなければ、私たちを活用してほしい」と言葉を強めた。

駐在者のメンタルサポートに取り組むTazna代表の前川さん(写真:筆者撮影)

また、前川さんは自身の反省から、こう念押しする。

「私たちは、『あなたのキャリアのためについてきてあげたのに』『でも、最終決断したのはお前だろ』という喧嘩をよくしていました。自分が譲歩した感覚で行くと、どこかで不満が出てきてしまいます。海外に行くかどうかを決める前に、お互いのキャリアや人生にとっての位置づけなどをしっかり話し合っておくこと。帯同する側が、『自分で選んで行った』と思えることがすごく大事だと思いますね」

駐在者や家族のメンタル支援をする会社を立ち上げ

タイでの経験を経た前川さんは帰国後の2025年に、駐在者やその家族向けのメンタル支援をする会社「Tazna(タヅナ)」を立ち上げた。

人間関係やキャリア、子育てなどの個人の悩みを相談できるオンライン個別カウンセリングと、赴任前研修やフォローアップなど従業員のメンタルケアを行う法人向けプログラムの2本の柱で活動している。

大企業は支援が充実していても、規模が小さい会社ほどサポートが足りていない現状もある。今後は、小規模の会社の支援も強化していきたいという。

「自分も経営者になってみて経営の大変さを実感しているので、中小企業の力になりたいと思います。

誰かに守ってもらいにくい立場の人たちの伴走支援をしていけたらいいなと思っています」

タイで撮った家族写真。今も毎年タイを訪れている(写真:筆者撮影)

前川さんは、「タイに行って本当によかった。タイでボランティアをしていなければ起業しなかったかもしれません」と晴れやかに語った。

タイに行って前川さんは起業し、夫は転職した。3人になった子どもたちが今でも「タイに行きたい」とせがむのは、タイでいい思い出ができたからだろう。「みんな人生が変わりましたね」と前川さんはほほ笑む。

子どもたちは、ふたり目のお手伝いさんにまるで自分のおばあちゃんのように懐き、今も交流が続いている。早いうちから海外の価値観に触れ、選択肢を広げているようだ。かつて前川さんがアメリカでカウンセリングに触れたように。

【前編】《キラキラ海外駐在妻》のはずが…アメリカで自殺した母 「私のせい」と苦しんだ少女が選んだ"ふたり分の人生"のその先では、前川さんに幼少期の出来事と心理学の道に進んだ理由を聞いた。

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