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余命宣告後に医師から「自由に暮らしてください」 60代男性が感じた医療者とのすれ違い…どうすれば解決できるのか

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高齢者とがん
終末期緩和ケアでは患者本人だけでなく、家族もケアの対象となることがあります(写真:metamorworks/PIXTA)
  • 山口 建 静岡県立静岡がんセンター名誉総長
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患者や家族の思いは複雑に揺れ動く。このような状況に陥ると、患者や家族が、担当医に対して不信感を抱いたり、「何か、打つ手はないか?」と自分たちで情報を集めようとすることがある。

積極的な治療の手立てがなく、しかし、入院するほどの状況には至っていない患者が、病状の悪化を待つ辛さに耐えかねて、「がん難民」のようにいろいろな病院を尋ね歩くこともある。

また、心の支えを探すうちに、高価だが効き目のない民間療法に頼ろうとしてしまうのも、この時期に多い出来事だ。

静岡がんセンターでは、このようなとき「その患者にとって一番大切なことは何か?」という判断基準での治療やケアを考えている。

患者が「今の自分にとって、一番大切にしたいことは何か?」と考え、家族も「患者にとって一番大切なことは何か?」と思い、後に述べる「やるべきこと、やりたいこと、やれること」を考慮するうちに、容易ではないが回答が見えてくるように思う。

緩和ケアの分野では、このような状況の患者や終末期に近い患者を対象とした「人生の最終段階における生き方・医療・ケア計画(Advance Care Planning)」という手法が注目されている。これは、「人生の最終段階を迎えた患者の生き方を尊重し、患者・家族・医療スタッフが相談し、治療・ケアの方針を決める」という意味が込められた手法である。

患者の意思を確認しながら、最終段階での治療やケアを、どのような場所で、どのような形で受けたいかを、患者・家族・医療スタッフが話し合い、その内容を共有する。

患者の思いは揺れ動くので、相談を繰り返すことが望ましい。日本では、まだなじみがなく、広く行われてはいないが、今後、我が国に適した手法が確立されていくことを期待したい。

がんの早期から「緩和ケア」

現代のがん医療では、がんの初期治療の段階から、がんを攻撃する手術療法・放射線療法・薬物療法と並行して、支持療法や緩和ケアを実施し、患者のがんによる症状や治療に伴う副作用・合併症・後遺症を和らげる努力が払われている。

「治癒困難な進行・再発がん」で、がんを攻撃する治療が実施できなくなった場合には、支持療法と緩和ケアが主役となって、患者の「生活の質(QOL)」の向上に努める。

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