ステアリング特性もあえてシャープさは抑えてあるので、乗用車から乗り替えると多少の慣れが必要だ。
一度、操縦感覚のコツを覚えると、意外なほど気持ちよく走ってくれた。
ただし、それは一般道を制限速度内で走行した場合であって、高速道路とか山道となると話は違ってくる。ドライブ中に緊張の度合いが高くなるのだ。
ActRide搭載車で同じ一般道のコースを走ってみたところ、はっきりと違いがわかった。
走行中に自分でスマホの画面を見ながら設定はできないため、今回はカヤバが説明係を用意してくれた。
私のとなりに乗ってくれたのはレーシングドライバーで、日ごろ、自分のレース道具をどっさり積み込んでハイエースを運転しているという。
これは本当にハイエースなんだろうか!
「スポーツモード100です」と、その人がスマホ画面を操作すると、乗り心地がびしっと変わる。足まわりは硬くなるが、ハンドリングが向上するので、標準車とは明らかに違うキャラクターになる。
そこからノーマルを経由してコンフォートまでバーをスライドさせていくと、少しずつ乗り味が変化していった。
コンフォートは、いわゆる足がよく動き、車体の上下動はあるものの、路面からのショックがていねいに吸収され、上質な乗り心地が味わえる。
「これは本当にハイエースなんだろうか」と思ってしまうほど、よく制御されているのだ。
先に触れたコントローラー内のモニターが、車両の前後動、左右の揺れ、上下の揺れ、それにピッチとロールとヨーという、合計して6軸を常にセンシングしている結果なんだそうだ。
設定されている車両の動きは、「“空からクルマを吊るしている”かのように(車体の動きをフラットに保つよう)制御するスカイフック制御」による、とカヤバでは説明。
カヤバのオートモーティブコンポーネンツ事業本部四輪事業部技術統括部の馬場友彦部長によると、「今回のハイエースで交換しているのはダンパーだけ」だそう。スプリングやゴムブッシュなどは、量産車のものをそのまま使っている。
それにもかかわらず、ハイエースというクルマがまったく別ものに思えてくる。
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【キャンパーにも適した実用アイテムとして】
