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不動産事業売却でコンテンツに1500億円投資、"甘えの元"に別れ告げたフジテレビがそれでも断ち切れない「80年代の呪縛」

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フジテレビ本社
闇夜に輝くフジテレビ本社。IPへの巨額投資で再び輝ける日はやってくるのか(写真:ブルームバーグ)
  • 境 治 メディアコンサルタント
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1981年に掲げた「楽しくなければテレビじゃない」というスローガンは、あの時代のフジテレビの躍進を象徴するものだった。視聴率三冠王を獲り続けた時代の空気そのものだ。

しかしそれは同時に、視聴率至上主義、内輪ノリの番組作り、出演者との距離感の曖昧さなど、今回のガバナンス問題の根っこにある組織文化を醸成したスローガンでもあった。企業理念の見直しは「楽しくなければ」を否定すべき局面ではないのか。

80年代のテレビに「楽しい」という言葉を掲げた意義は大いにあった。登場時に「一億総白痴化」とまでこき下ろされたテレビが「楽しくて何が悪い」といい意味で開き直る潔いスローガンだった。

「楽しければいいじゃないか」という開き直り

ただ、「楽しい」が画期的だったのは、あくまで「放送」についての言葉だったからだと私は考える。

報道とセットで公共性を背負わされた放送事業には、どこかかしこまった空気が付きまとった。同時に映画業界から「電気紙芝居」とさげすまれ、中途半端な表現形態で芸術性などないとバカにされていた。

フジテレビは「楽しければそれでいいじゃないか」という開き直りで、視聴率を追い求めることを全面的に肯定した。だからこそ、他局より抜きんでる存在になれたのだ。視聴率を取るには「楽しさ」が必要であり、「それの何が悪いのか」といけしゃあしゃあと言ってのける強さがあった。

そのうえで、フジテレビは楽しさを追求した先のクオリティーも獲得していった。時代の最先端へと突き進み、バラエティーやドラマだけでなくスポーツや情報番組、そして報道にも楽しさを持ち込み、それぞれ上質な番組へと進化させていったのだ。

だがそれは、あくまで「放送」の枠の中での話だ。

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【フジテレビは反省していない?】

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