東急が鉄道事業を分社化した理由は、安定的な鉄道事業と、不動産のような多額の投資を伴う開発事業を切り分けることで、それぞれの事業にスピード感を持って取り組むというものだ。
南海も「分社後の当社(NANKAI)が、不動産ビジネスの拡大や未来探索を通じた事業創出等により、グループ全体の事業成長を牽引していく存在として新たな一歩を踏み出す」としている。そして鉄道事業は、公共交通サービスの持続的な提供に主眼を置き、長期的なエリア価値向上の視点で事業成長を推し進める。
なんば活性化に「高野山」の要素
分社化したとはいえ、南海が現在進めている2つのビッグプロジェクトはまちづくりと鉄道事業が混じり合っている。1つ目は大阪駅に乗り入れる「なにわ筋線」で2031年に開業予定。関西国際空港や南海の拠点である難波エリアへのアクセスが強化される。うめきたや中之島などへの進出の足掛かりにもなる。なにわ筋線は大阪駅からなんば経由で高野山に向かうアクセス線としての役割も担う。
もう1つは難波エリア一帯を活性化させる「グレーターなんば構想」。なんば駅ターミナルを中心に新今宮駅、なにわ筋線の新駅に広がる一帯を大阪観光の中心地にすることを目指す。南海は、グラン天空を「グレーターなんば構想と連携してなんばの街づくりをさらに活性化させる新たなトリガー」と考えている。
なんばといえば、お笑い、ショッピングなどが充実しているが、そこへ高野山アクセスという文化的な要素が加わることで、なんばの魅力はさらに増す。
高野山のオーバーツーリズムを解消し、なんばの魅力向上につなげる。この狙いどおりにことが進むかどうか。まずはグラン天空がどれだけの客を集められるかに注目したい。
