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北朝鮮が憲法を改正し統一国家理念を放棄、国家アイデンティティーを大転換「第2の建国」、金正恩氏の権限はさらに拡大

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北朝鮮の憲法が改正、金正恩総書記(中)の権限がさらに強化された(写真:VCG /Getty Images)
  • 坂井 隆 元公安調査庁調査第二部長、北朝鮮ウォッチャー
  • 箱田 哲也 朝日新聞記者

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北朝鮮が憲法を改正したことが明らかになった。ソウル大学の李貞澈(イ・ジョンチョル)教授(北朝鮮政治)が分析した結果を報道陣に説明する形式をとったが、韓国政府も関与しているとみられ、新憲法の内容も正確なようだ。注目された韓国に対する「敵対的2国家論」は盛り込まれたのか。最高指導者・金正恩(キム・ジョンウン)総書記の権威、権限には何らかの変化があったのか。北朝鮮の実情に精通する、元公安調査庁調査第二部長などを務めた坂井隆氏に、朝日新聞記者の箱田哲也氏が聞いた。

韓国人は同胞ではなく外国人

箱田:ついに北朝鮮は憲法を改正し、韓国との関係を明確にしたようです。

坂井:中身の話に入る前に、まず押さえておくべきは、今回の改憲が、必ずしも2026年3月に開かれた最高人民会議第15期第1回会議で修正されたとは断言できないことです。

箱田:えっ! 日本のみならず、韓国メディアもほとんどが「3月の最高人民会議で改憲されたようだ」と伝えていますが。

坂井:それ以前の「社会主義憲法」は、23年9月(最高人民会議第14期第9回会議)に修正されました。その後24年1月開催の第10回会議で金正恩氏による「施政演説」を通じて、いわゆる「敵対的2国家論」(編集注:韓国は同胞ではなく、敵対する大韓民国という別の国家という意味)を憲法に反映させるべきだと訴え、同年10月に第14期第11回会議が、翌25年1月には第12回会議が開催され、それぞれ憲法修正が議題となりました。

したがって、改憲自体がこの2年間のどこでなされたのかは断定できません。

次ページが続きます:
【韓国との関係は?】

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