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急成長「マレーシア鉄道」日本人が知らない最新事情 新型特急登場、シンガポールへ「国境越え新路線」も

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マレーシア ETS Class93
マレーシアの特急電車ETS。2025年に西海岸を走る幹線は全線電化された(写真: linegold/gettyimages)
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その先のジョホール・バル(シンガポール国境)まで約200kmは非電化のままで、クアラルンプールからジョホール・バルに鉄道で行くには、ディーゼル機関車が旧型客車を引く列車に乗り換えが必要だったが、2025年にグマス―ジョホール・バル間の電化・複線化が完成した。これにより南部のボトルネックは解消され、最新型車両「ETS3」の投入も始まった。

最新型の「ETS3」。中国中車(CRRC)が製造した(写真:CRRC)

タイ国境からクアラルンプールを経て南部ジョホール・バルまで、主要幹線が電車特急で一本につながった意味は大きい。全線を通して乗ると10時間近くかかるが、クアラルンプール―ジョホール・バル間は約4時間10分と実用的な所要時間だ。ETSの車内にはビジネスクラスやWi-Fi環境も備わる。

ETS3のビジネスクラス車内。2列+1列配置の大型座席を備え、航空機への対抗意識も(筆者撮影)

西海岸線の電化とETSで、マレーシア国内の鉄道はノスタルジーの対象から、実用的な「使われる乗り物」へと完全にシフトしたといえる。

シンガポール国境越えの新鉄道「RTSリンク」

マレー半島の南端、ジョホール海峡ではさらに劇的な変化が進む。ジョホール・バルとシンガポールを結ぶ鉄道、RTSリンクは2027年1月の開業を目指し、目下試運転段階に入っている。

これまで両都市の移動は、慢性的な渋滞に悩まされるコーズウェイ(海峡の道路)をバスや自家用車で渡るか、所要時間わずか5分の「世界最短の国際列車」と呼ばれるKTMの列車「シャトル・テブラウ」に頼るしかなかった。しかし、このシャトル列車は本数が少なく、通勤に使うにも予約開始日に一瞬で売り切れるなど、需要に追いついていなかった。

国境に向かう高架道路下を進むシャトル・テブラウ。ディーゼル機関車牽引で運転している=2026年1月(筆者撮影)
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【国境越え通勤の姿が激変?】

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