本当はもっと上を目指せる力がある。けれど、その力がないからではなく、最初の段階で「そこまでは行かなくていい」と判断してしまう。いや、もっと正確に言えば、本人が自由に判断しているというより、家庭や地域の空気の中で、そう判断することが自然になっている。そういうことは、現実に起きているのではないでしょうか。
「保護者からできるだけ偏差値の高い大学に行くことを期待されているかどうか」が、生徒自身の難関大志望度に強く関わっていることは言うまでもありません。だからこそ、地方女子が難関大学を目指しにくいのは、単純に本人の意欲が低いからではなく、周囲から「高いところを目指していい」と思ってもらえていない。あるいは「実家から通える範囲で」「女の子なのだから無理をしなくていい」というメッセージを、はっきりと、あるいは無意識のうちに受け取っている。その積み重ねが、志望校選択を変えているのかもしれないと感じます。
北海道と九州は地元志向が強い
例として九州大学を挙げましたが、これはおそらく全国で発生していることでしょう。とはいえ、九州ではその傾向が比較的見えやすい可能性があります。Studyplusトレンド研究所の「進路と地域に関するアンケート」では、高校生が認識している保護者の意向として、「地元を希望している」割合が高い地域は1位が北海道で、親が地元志向という回答が40.3%、2位が近畿で38.1%、3位が九州で35.7%という回答になりました。
このうち近畿は全国的と比較して大学が多い地域であることを考えると、北海道と九州はとりわけ地元志向が強い地域であることがわかります。
一方、関東は63.3%が「特に意向はない」と回答しています。九州は「特に意向はない」と回答している人が48%であることを考えると、進学先を考えるときに関東と九州では子どもが感じている親の空気そのものがかなり違うと考察できます。
だからこそ、この九州の先生の話は、単なる「ある学校の面白いエピソード」では終わらないのだと思います。東大に受かる力があるのに、東大を目指さない。それ自体はもちろん、本人の選択です。九州大学に進学することが悪いわけでも、もったいないと決めつけることが絶対に正しいわけでもありません。そこに「都会の価値観の押し付け」が入り込む危険があることも、理解できます。
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【漫画『ドラゴン桜2』でも…】
