予期せぬ退職勧奨の重大ミッション
あれは、十数年前のこと。大手専門商社の人事部に転職して4年目を迎えた私は、ある朝、人事部長に呼ばれてこう切り出された。
「萬屋くん、単刀直入で申し訳ないのだが……。生産管理部のAさんに、退職の道を選んでもらえるよう、話し合ってもらえないだろうか」
「えっ! それは一体、どういうことでしょうか」
穏やかではない指示にひるんだ私は、とにもかくにも詳しい事情を聞かねばと前のめりになった。
すると部長は深くため息をつきながら、人事関連の資料を私の前に差し出した。
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【「失われた30年」】
