検索してみると、魔導士の卵の16歳、ミクさんと同じく、目が顔の3分の2を占める少女だった。
それ以降、近藤さんは人間にも二次元キャラクターにも、恋愛感情を抱くようになる。
「二次元キャラクターなら、誰でも恋に落ちるわけじゃありません。単にアニメ作品として楽しむ場合もあるんです。当時好きだったアニメ作品は、『怪盗セイント・テール』。レンタルビデオ店で全巻借りてきて、最終回でボロ泣きしてしまいました。
あとは、『赤ずきんチャチャ』や『姫ちゃんのリボン』も好きでしたね。私のオタクの入り口は、少女漫画だったんですよ」
『怪盗セイント・テール』は記憶にないが、『赤ずきんチャチャ』『姫ちゃんのリボン』という響きには覚えがあった。突然、何十年も放置していた引き出しが開いたような、不思議な感覚だった。
筆者が「美少女系アニメ」に覚えた“背徳感”
近藤さんが中学生のときにハマったというアニメ、『怪盗セイント・テール』の第1話が、トムス・エンタテインメントの運営する公式YouTubeチャンネルに上がっていた。
月刊誌『なかよし』で連載されていた立川恵先生の漫画をアニメ化した作品だ。
ミッションスクールに通う美少女が、夜な夜な怪盗セイント・テールに変身し、迷える仔羊たちを救うために華麗なる怪盗テクニックで悪党を懲らしめる、キュートで胸キュンのラブコメらしい。
試しに鑑賞してみると、中学生が住居侵入および窃盗罪を繰り返すというクライム・ストーリーだった。少年法により保護される年齢ではあるが、前科の件数も気になるところだ。
しかし途中で居心地が悪くなり、最後まで見ることができなかった。なぜか鑑賞している自分に、背徳感を覚えるのだ。
「宮﨑さんなら年齢が近いからわかるかと思いますが、アニメオタクなんて、昔は根暗の気持ち悪いやつだって差別されていたじゃないですか。オタクは今よりもずっと生きづらかった。僕だって隠している時期もありましたよ」
近藤さんが言うように、1990年代はアニメオタクにとってかなり生きづらい世の中だっただろう。一度オタクだとレッテルを貼られれば、クラスの最下層に落とされることもままある。
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【「背徳感」の正体は】
