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アメリカ・イスラエル連合とイランとの中東での衝突の先行きは未だ不透明感が拭えず、世界の安全保障を揺るがしている。物理的な戦闘の裏で、いま海を越えて我々が直面しているリスクの1つが、重要インフラやサプライチェーンを標的にする ”地政学的サイバーリスク” である。
これは日本にとって対岸の火事ではない。今回の中東での米軍の展開を踏まえたうえで、台湾有事のシナリオを各国が練り直しているからだ。そこで、中東をめぐる情勢を踏まえ、日本の社会が直面するサイバー脅威と備えについて改めて考察する。
サイバー空間で見るアメリカ・イスラエル―イラン戦
サイバー攻撃対策を企業や組織に提供しているAkamai Technologies (以下Akamai)では、米軍とイスラエルによるイランへの共同攻撃「Operation Epic Fury」が開始された2月末から3月を通して、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域の重要機関を標的とした悪意のあるトラフィック(通信量)がそれ以前と比較して245%増加したことを観測している(編注:リンク先は英語)。
これらの発信源は、上位からロシア(35%)、中国(28.0%)、イラン(14.0%)と記録されている。
多くの地政学的な動機を持つハクティビスト(ハッカー活動家)は、ロシアや中国などの国々に設置されたプロキシという中継サービスを、真の攻撃元の隠蔽に用いる。
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【中東の金融機関やインフラ、アメリカのIT企業などが標的に】
